用語集

録音データ解放・プラットフォーム移行・コンプライアンス eDiscovery の主要用語解説。

NMF(NICE メディアファイル)
NICE 録音プラットフォームが使用する専有の音声コンテナ形式(拡張子 .nmf)。内部は G.729A、A-law、µ-law、ADPCM などのコーデックで、標準 WAV へ抽出するには専用のパーサーが必要。
データフォーマット解放
専有の録音システムに閉じ込められた過去の音声・データを抽出し、WAV や MP3、JSON メタデータなど、長期的に使えるオープンな標準形式に変換するプロセス。
録音プラットフォーム移行
(多くの場合すでに停止した)録音システムから、過去の録音とそのメタデータを新しいプラットフォームやクラウドへ、完全かつコンプライアンスに準拠した形で移行するプロセス。
電子証拠開示(eDiscovery)
訴訟、規制当局の調査、コンプライアンス審査において、通話録音やチャットを含む電子データを検索・レビューし、提出するプロセス。検索性・書き出し可能性・証拠保全の連鎖が通常求められる。
コンプライアンス保存
金融(MiFID II など)、通信、医療といった規制の要求に従い、通話・チャット記録を定められた期間、検索・取得可能な状態で保存する義務。
CCaaS(クラウドコンタクトセンター)
Contact Center as a Service の略で、クラウドで提供されるコンタクトセンター基盤。CCaaS への移行では通常、旧プラットフォームの過去録音データを先に解放する必要がある。
音声認識(STT)
録音を文字起こしする技術で、音声分析・品質検査・検索・コンプライアンス審査の基盤となる。専有形式は高品質な文字起こしのために、まず標準的な音声形式へ変換する必要がある。
二チャネル録音
オペレーターと顧客をそれぞれ左右のチャネルに分けて記録する方式。話者分離が容易になり、品質検査や感情分析に有利。フォーマット解放の際にはチャネル分離を保持する必要がある。
トランスコーディング
音声をあるコーデック/コンテナから別のもの(例:G.729 → PCM WAV)へ変換するプロセスで、フォーマット解放とプラットフォーム移行の中核となる工程。
PII(個人識別情報)マスキング
録音や文字起こしテキストの中からカード番号や身分証番号などの個人識別情報を検出し、マスキングする処理。プライバシーとコンプライアンスの要件を満たすために行う。
インタラクション分析
大量の通話・チャットを自動分析し、話題、感情、コンプライアンスリスク、サービス品質に関する洞察を抽出すること。高品質な音声データと文字起こしに依存する。
AES(高度暗号化標準)
録音を保存時に暗号化する際に最も広く使われる共通鍵暗号方式(一般に AES-128 / AES-256)。暗号化と復号に同じ鍵を使うため、過去の録音を復号できるかどうかはアルゴリズムではなく鍵が現存するかどうかで決まる。
エンベロープ暗号化
ファイルごとにランダムな AES セッション鍵で暗号化し、そのセッション鍵をさらに非対称鍵ペア(通常は証明書)で包んでファイルと共に保存する方式。復号にはまず秘密鍵でセッション鍵を取り出す必要がある。録音プラットフォームで広く使われており、移行時には対応する秘密鍵または証明書が必須。
KMS(鍵管理サービス)/HSM(ハードウェアセキュリティモジュール)
暗号鍵を一元管理するサービス(KMS)または専用ハードウェア(HSM)。鍵自体はディスクに書かれず、プラットフォームはインターフェース経由で呼び出す。安全性と監査性に優れる一方、機器の返却・ゼロ化やサービス終了後は、それに依存する過去の録音が復号できなくなるリスクがある。
証拠保全の連鎖(チェーン・オブ・カストディ)
データが生成されてから提出されるまでの取り扱いと担当者を記録した履歴で、電子証拠開示やコンプライアンス場面での完全性と証拠能力を担保する。